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ダンスに影響する2つの動き

今ストリートダンスに影響を与えている2つの動きがあります。


1つはダンスをもっと一般の人にわかりやすく

見てもらえるように

簡略化していこうよ

というもの。



もうひとつは

ダンスのことをもっと歴史を尊重して

理解を深めていこうよ


というものです。



ダンサーが動くのは後者の方です。


ダンスはかってにそこにあったものではありません。


ダンスができてきた歴史や流れ、

そこに関わってきた世界情勢や地域の背景、

人々の心情が深く関わってできてきています。



ダンスの大切な捉え方に、

リスペクトという言葉があります。

そのまま、尊敬、尊重という意味です。

それぞれのダンスや背景、歴史上の人物に

リスペクト、尊敬の心を持ちましょうということです。


今ある形には、

今まで関わってきた人たちの苦労があるわけです。





一方で、冒頭で出した、前者

一般の人でもわかりやすく、

簡略化していこう

という動き。



誰でもダンスができるように、

簡単に理解ができるものにしていこうという動きです。

これはメディアであったり、

ダンスのことを知らない人が

エンターテイメント面、

あるいはビジネスの面だけで

ダンスを利用しようと考えて起きている考えです。




〇〇を踊ってみた という踊りをyoutubeに投稿したり

オリンピックでスポーツ化するということは

これにあたると思います。




これは見ている人が誰でも分かるように

今ある複雑なやり方を

簡単にしていこう

と見えます。



例えると、

10あるものを

10も理解できないから

1にしよう

というやり方であったり、



また例えると、


水泳競技は

4つも種目があってわかりにくいから

平泳ぎだけに絞ろう


あるいは50m、100m、200m、400m

とこんなに分けてたら何を見たらいいかわからないから

エンターテイメント性がわかりやすい

100mだけにしよう

ということです。



どちらが勝つかというと

お金があって人口の多い方です。



今はダンスに携わる人は

ダンサーが多いですが、


エンターテイメントが増えてきて

スポーツ感覚でできる

あるいは簡単に取り組めるという見方が

増えてくると


ダンスは簡略化する方向に進む可能性があり、

ストリートダンスが

伝統的な昔の古いものとなってしまう可能性が

あるわけです。



こうならないように、

ダンスの正しい魅力と深みを

わかりやすく伝えようとする人たちが

最近になって少し増えてきました。



しかしそれは危機感の現れでもあるように感じます。




発信する側だけの努力だけでなく、

自発的に正しいストリートダンスの情報を受け取ろうと

考えてくれるダンサーが増えることを

祈ってます。




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